文明はなぜ崩壊するのか
- 作者: レベッカコスタ,Rebecca Costa,藤井留美
- 出版社/メーカー: 原書房
- 発売日: 2012/03
- メディア: 単行本
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帯によると、トランプ大統領がレコメンドしている本らしいですね。 とはいいましても、本自体が2012年の本なので、まだトランプさんは大統領ではないですが。
さてこの本は文明というものに対してフォーカスしていますが、 実際にはこのアイディアは、ITシステム的なものであったり、会社だったりと、 システム一般に応用の聞くアイディアと考えられます。
文明が発展すると、システムが複雑になって、容易に問題を解決できないどころか、 問題を理解できないほどにまでなる。 その理解できない認識の壁を「認知域」と著者は呼んでいます。
それでも我々は問題を解決しようと奮闘するのですが、 それを阻むのが、社会的認知の壁、著者が「スーパーミーム」と言っているものです。 スーパーミームは綺麗にいえば
人々に受け入れられている、
- 情報
- 思考
- 感情
- 行動
に当たります。 もう少し、生々しい表現にするなら、
- 常識
- 伝統
- 理論
- 偏見
ということになります。 スーパーミームはバックグラウンドに伴う複雑さを隠蔽します。 「なぜ〇〇なのか」といった構造を理解せずに、丸覚えできてしまうので便利というわけです。
さて、著者は以下のようなスーパーミームがあるといいます。
- 反対という名の思考停止(不合理な反対)
- 個人への責任転嫁(非難の個人化)
- 関係のこじつけ(偽りの相互関係)
- サイロ思考
- 行きすぎた経済偏重
恐ろしいほど、現代日本を表しているようですね。
対処方法としては、短期計画がうまく言っている間に、長期計画を立てないといけない。 プログラミンで言うところのリファクタリングちゃんとしていかないといけない感ですね。
短期的な緩和療法では効き目がないので、
- 並行漸進主義
的に、同時にガンガン緩和策をうつことで、まずは時間を稼ぎつつ、根本的な問題を解決するために
- ひらめく
必要があると言うこと、というのが著者の主張です。
そのために、脳トレだとか、リラックスする時間が必要ですよと言う、 意外と最後は牧歌的になってしまったが、日本人には大切なように思います。
また、
- 知識を獲得する
- 知識を使って活動をする(ひらめきをうむ)
とひらめきが起こるための知識の統合を2フェーズに切っていて、 まーそうだよね、と思うのところもありました。
読んでいてとても楽しい本でした。 ついでに思い出を書いておくと、そこかしこで持ち歩いて読んでいて、 どっかに置き忘れてしまいなくしてしまったので、書い直してまで読んだ本です。